
料理に慣れてくると普段は使う機会の少ない厚切り肉や塊肉に挑戦してみたくなりますよね!
でも慣れていない為に扱い方が分からなかったりして、上手に調理することが難しいんじゃないかと不安ですよね。
でも安心して下さい!
「スジの処理」「塩加減」「火の入れ方」の3つに注意すれば、大きなお肉でもしっかり料理を仕上げることができます。
本文では各作業のやり方やポイントを紹介していきます。
厚切り肉や塊肉に挑戦してみたいけど躊躇してしまっている方は参考にしてみて下さい!
こちらのページでは塊肉を使ったレシピを紹介していますので、下処理の方法を学んだら実践してみて下さい!
目次
【スジ切り・スジ取り】厚みのある肉も柔らかく仕上がる!
スジってなに?
スジとは人間でいうとアキレス腱等の筋肉と骨の接続部にある硬い部位と、また筋肉の塊を包み込んでいる筋膜もスジになります。
牛ステーキ肉やとんかつ用豚ロース肉を見ると良くわかります。
赤身部分を分断している白い部分や赤身と脂身の境目にある膜状の部分です。
この部位を除去せずに加熱を行ってしまうと、熱によってスジ部分が縮んで固くなります。
そうなってしまうとお肉が反り返って見栄えが悪くなったり、硬くて食べにくくなったりしてしまうのです。
逆に言えばきちんと処理しておくことで、食べる際のストレスが減りより食事を楽しむことができます!
スジ切りのやり方
スジがある場所は赤身同士の間や赤身と脂身の間ということは先ほどお伝えしました。
切る、というと切断・分断して除去するのかと思ってしまう方もいるかもしれません。
しかしそこまで大げさにやってしまうと食べる所も無くなってしまいます。
作業はとても簡単で、お肉の片面のみのスジ部分に垂直に刃を刺し込むだけです。
刺し込むと言っても包丁全体を貫通させる必要はありません。スジ部分に切り込みが入るだけで十分です。
スジは片面分のみ切り込みを入れられただけで、きちんと縮む力を弱めることができるます。
これをお肉の大きさに合わせて2~3㎝感覚で複数個所行うことでスジ切りは完了します!
思いのほか簡単ですよね!
スジ取りのやり方
次はスジ取りのやり方です。こちらは塊肉を下ごしらえする時に行います。
お肉にまとわりついているスジや筋膜部分が大きい場合、スジ切りだけでは不十分です。
また赤身部分と比較して臭みの強い部分でもあるので料理の味を落としてしまいます。
これも作業自体はスジ切りに似ています。
赤身部分とスジ部分の境目に包丁で切れ込みを入れ、なるべく赤身肉を残す様にスジ部分を引っ張りながら包丁を入れてはがしていきます。
【塩加減】余分な水分を出して肉を引き締める!
塩の効果
まず初めに塩がお肉に与える効果について知っておかなければなりません。
お肉に下味をつける為、という答えだと思っている方が多いかもしれませんが、それは副作用的な側面が大きいです。
主目的はお肉から余分な水分を引き出し、お肉の旨味を凝縮させる為に行います。
中学の授業で習う「浸透圧」の作用によってお肉内部の水分がお肉表面に移動し抜けていきます。
塩の量とタイミング
塩の下限はお肉の重量に対して0.8~1%が適しています。
1kg(1,000g)の丸鶏であれば8~10gということです。
味付けがシンプルな料理であれば1%、ソースをかけて食べる料理には0.8%、ときちんと測って調理することで味がぼやけるのを防ぎます!
またお肉に塩を振るタイミングは焼く直前がベストです。
先ほどの余分な水分を引き出す効果を期待する半面、長時間置いておくことで水分が出過ぎてしまいます。
水分が出過ぎてしまうと雑味と一緒に旨味が出てしまったり、焼き上がりがパサついたりします。
タイミングとしては焼く5分程度で問題ありません。お肉に塩を振り、フライパンが温まるのを待つ程度の時間が丁度良いでしょう。
【焼き方】繊維の向きを見極めて水分の出口を塞ぐ!
お肉には繊維の方向があります。
私たちの筋肉が1本1本のストロー状の筋繊維が集まってできていることを想像すればイメージがつかみやすいでしょう。
この繊維の中にあるお肉の水分をなるべく流さない様に焼き上げることでお肉の旨味を逃がすことなく頂くことができます。
スジ取りの際にお肉を良く観察するとお肉の繊維が流れる方向を見つけることができ、その両端が水分の出口です。
焼き始める際はまずこの出口2面を焼き塞ぐんです。それから残りの4面をじっくり焼くことでお肉の中に水分をしっかり留めます。
そして焼き終えたら肉汁を落ち着ける為に、5分ほどラップに包んで休ませます。慌てて切ると折角閉じ込めた旨味が一気にあふれ出てしまいますよ!
読み終わったら早速レシピを見てみましょう!
まとめ
お肉の下処理、塩加減や振るタイミング、焼き方は知っておくととても便利な料理の技です。
せっかく作る料理はもちろんおいしく仕上げたいですよね!
どの技も知っていれば実行するのは簡単なものばかりで、このひと工夫が料理素人からの卒業とも呼べます。
しっかり準備したお肉で最高の料理を作りましょう!